南アルプスの水と太陽に
育まれた小さな農園

ふしみ農園は南アルプルのふもと、山梨県北杜市白州町にて4代続く農家です。日本でも有数な豊かな自然の中でお米作り80年以上。現在は若き4代目が父の想いを譲り受け、人の手で丁寧に仕上げる事にとことんこだわり、代々続くお米とりんご作りを守り続けております。

「いのち」を育て、いただくこと

農業は「命=いのち」にもっとも近い仕事のひとつだと思っています。作物のいのちを頂いて人間のいのちに変える。そんな命に寄り添える農業を、先祖が大切に守り続けてきた。
そのリレーを途絶えさせたくない。守り続けたいという一心でふしみ農園を続けています。小さな農園だからこそできることは何だろうと常に思いを巡らせながら、田んぼや畑に出ています。

4月になるといよいよ田んぼ作業のはじまりです。1枚1枚ていねいに田を起こし、同時に苗の準備も始めます。「苗半作」と言われるくらいに大事な苗づくり、実はお米づくりは最初が肝心なのです。何百枚もの育苗箱に種を蒔き、毎日ハウスを開け閉めしながら水をやり約4週間かけて苗を育てます。そして5月になると田んぼ水を張って丁寧に代掻きをして、田植えを行います。
また4月にはりんごの花摘みも行います。桜の開花後約1週間でりんごの花が咲き始め、5輪の連なる花の中から良い花を1輪だけ残して手作業で摘み取っていきます。

夏になると田んぼの稲も青々と育ち、毎日朝晩の水管理や見回り、そして畦(あぜ)の草刈りに追われる日々が続きます。強い日差しと高温の中、田んぼ農家がいちばん体力を使う季節でもあります。
また、りんご栽培の方も秋の収穫に向けて大忙し。草刈りや雨対策などをしながら、実をつけはじめた花を落として大きな実が育つための摘果作業をすすめます。

お盆が明けた頃から秋の到来を予感させる日が増え、稲穂もふっくらと厚みを増し、9月に入るといよいよ稲刈りが始まります。秋雨の合間を縫って刈った稲を機械乾燥にかけたり、天日干し米の場合は手作業ではざ掛けして天日で数週間干した後に脱穀します。脱穀後は出荷量に応じて精米していきます。
また9月になるとりんごの収穫も本格的にスタートします。時期に応じて実っていくりんごたちのいちばん美味しいタイミングを見極めながら家族総出で収穫していきます。

農閑期といわれる冬場も実はやることがたくさんあります。忙しい時期にはできなかった農機具や圃場の整備や、田の寒起こし、りんごの枝の冬剪定など実り多い年にするためにさまざまな下準備をして春を待ちます。そして栽培の計画をたてるのもこの時期の大事な作業になります。そして何よりも大事なのは、家族の時間を大切にしながら体や心を整えること。作り手が健全であってはじめて豊かで健全な作物が育てられると感じています。